気になるネット銀行の安全性!不正送金を防ぐセキュリティ対策とは

公開日:2023/07/15   最終更新日:2024/01/29


インターネット専業であるネット銀行は2000年代に大きく拡大しました。銀行通帳は発行されず、パソコンやスマホを通じて取り引きできるため、従来型の銀行のように店舗に行く必要がありません。しかし、インターネット犯罪が増えるなか、ネット銀行の安全性を心配する方もいるでしょう。本記事ではネット銀行の安全性について解説します。

ネット銀行とは

ネット銀行とは、実際に銀行やATMに行かなくてもにインターネットを使って取り引きができる銀行のことです。24時間365日いつでも利用できて、手続きがとても簡単というメリットを有しています。

大半のネット銀行には実店舗がないため、対面で取り引きすることはできません。しかし、人件費や店舗の維持費が不要となるため、コスト削減が可能です。

そのため、手数料を低く抑えたり、預金金利を高くできたりするのです。2010年代に大きくシェアを伸ばしましたが、新型コロナウイルスの影響によりさらに注目され、市場を拡大したと考えられます。

サービス内容は一般的な銀行とほとんど変わりませんが、対面での資産運用の相談や住宅ローンの相談などはできません。コストの低さと利便性という面で有利な銀行といえるでしょう。

ネット銀行は本当に安全と言えるのか

いつでもどこからでもアクセスできるネット銀行は、今までの銀行にはない利便性を利用者に提供しています。その反面、インターネット上で犯罪のターゲットとなることがあります。こういったリスクに対し、どのようにして安全性を確保しているのでしょうか。

2023年12月25日に金融庁が公表したデータによると、インターネットバンキングによる預金の不正送金が急増しており、2023年11月末における被害件数は5,147件、被害額は約80.1億円となり、いずれも過去最多を更新しています。

不正送金の手口として良く使われるのがフィッシングです。フィッシングとは、銀行やショッピングサイトなどの名前を騙って偽のサイトに誘導し、インターネットバンキングのIDやパスワード等を盗み取って預金を不正に送金する手口です。

誘導する偽のサイトは見た目が非常に巧妙で、ぱっと見ただけでは本物と見分けがつかないレベルで精巧に作られているものもあります。ウイルスを感染させて利用者がわからないうちにIDやパスワードを抜盗み取り、預金を不正に送金するものもあります。

各銀行が行っているセキュリティ対策

各所で頻発するインターネット犯罪に対処するため、各銀行も独自でセキュリティ対策を行っています。銀行側が行っている主な対策は以下のとおりです。

SSL/TLSの使用

SSL(Secure Socket Layer)/ TLS(Transport Layer Security)とは、インターネット上でデータを安全に送受信するための仕組みです。この仕組みを使ったページで入力されたIDやパスワード等の大切な情報は暗号化され、盗み見られることを防ぎます。

ファイアウォールの設置

ファイアウォールとは、ネットワークの境界に設置されるセキュリティシステムのことです。外部からの攻撃や不正アクセスから顧客の情報や資産を守ります。

ワンタイムパスワードの発行

インターネットバンキングで取り引きする際に必要となる1回限り有効なパスワードを発行します。1度しか使えないため取り引きの安全性を高められるというメリットがあります。

合言葉認証

パスワード以外に「秘密の質問」などの合言葉を設定し、なりすましを防ぐ認証方法です。

ソフトウェアキーボードの導入

手元にあるキーボードを使わず、画面に表示されるキーボードをクリックしてパスワードを入力する方法です。スパイウェアがキーボードの入力情報からパスワードを抜き取るのを防ぎます。

自動ログアウト

ログイン後、一定期間操作がなかった時に自動的にログアウトする仕組みです。他者が勝手に操作するのを防ぎます。

利用者も気をつけよう!

銀行側の取り組みに頼るだけでは、不正送金を完全に防ぐことはできません。利用者自身も以下のような対策をとることで、被害に遭う確率を下げることが可能です。

・IDやパスワードの管理を徹底する
・フィッシング詐欺に注意する
・不特定多数の人が利用するパソコンでインターネットバンキングを利用しない
・ウイルス対策を徹底する

IDやパスワードは最も重要なセキュリティ情報です。インターネットから切り離した場所に保管するのが理想的で、他の人の目に触れないよう、施錠できる場所に保管する等して管理するようにしましょう。

フィッシング詐欺については外観から偽のサイトかどうかを判断するのは困難なため、正規のURLを直接入力するか、通常使用しているWebブラウザにブックマークしておくとよいでしょう。

また、不特定多数の人が利用するパソコンで個人情報を扱うのは極めて危険です、そうしたパソコンでIDやパスワードを入力するのはやめましょう。

くわえて、誰でも利用可能なフリーWi-Fiを安易に使うこともハイリスクです。Wi-Fiの自動接続機能は使わず、手動で接続することをお勧めします。もちろん、自宅のパソコンやスマホのウイルス対策も欠かせません。

まとめ

今回はネット銀行の安全性についてまとめました。ネット銀行は以前に比べると一般的なものとなり、その利便性の高さから多くの人が利用しています。しかし、安全面に気を付けて利用しないと大切な預金が不正送金されてしまうかもしれません。便利さだけに目を奪われず、リスクにもしっかり目を向け、適切な対策を取りながら利用すべきではないでしょうか。

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